目指すは「プロダクトの価値向上」と「キャリアパス実現」の両立!デザイナーの成長に最適な環境づくりとは

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現代の競争が激化した市場では、デザイン思考を取り入れたイノベーションの推進、ビジュアルコミュニケーションによる効果的なメッセージ伝達、マルチチャネルデザインを通じた一貫したユーザー体験の提供などの重要性が高まっています。そのため、インハウスデザイナー(以下、デザイナー)は、自社の商品・サービス開発においてユーザーエクスペリエンスやブランディング、広告・宣伝など、多岐にわたる領域で欠かせない存在です。企業の競争力維持の観点でも、デザイナーの採用および活躍支援は重要な要素となっています。

これらの背景を踏まえ、シナジーマーケティング(以下、当社)は、全社的なデザイン価値の向上に向けて、2024年1月に「プロダクトデザイン部」を発足させました。今まで各事業部に所属していたデザイナーが一つのグループとして集まったことで、どのような効果が生まれたのか、「プロダクトへの価値提供」「デザイナーとしてのキャリア」の2つの視点で、当社デザイナーの赤嶺さん、瀬戸さん、若松さんに話を聞きました。

プロフィール

赤嶺 佳子 / プロダクトデザイン部 クリエイティブデザイングループ マネージャー
2015年中途入社。デジタルマーケティングのエージェント事業を経て、そのサービス開発と組織設計、マネジメントに従事。現在は当社のブランディング強化のため、デザイン組織設計と構築に向けてマネジメントを務める。

瀬戸 英晴 / プロダクトデザイン部 クリエイティブデザイングループ
2021年中途入社。マーケティングSaaS「Synergy!」の販促用デザインや地域創生事業FAVTOWN(ファボタウン)のUIデザイン・クリエイティブを担当。デザインシステムの定義やナレッジシェアを通じて、デザイン業務の最適化と品質向上を目指している。

若松 彩乃 / プロダクトデザイン部 クリエイティブデザイングループ (オンライン参加)
2023年中途入社。マーケティングSaaS「Synergy!」のUI/UXデザインを担当。

※部署名・役職は取材当時(2025年2月)のものです

デザイナー間で生まれたシナジーが「プロダクトへの価値貢献」を高める

―― プロダクトデザイン部を立ち上げた理由や経緯について、お聞かせください。

赤嶺:
「シナジーマーケティングのブランドコミュニケーションに一貫性を持たせること」「デザインの効率的な業務遂行およびデザイナーのスキル向上によって、各プロダクトへの価値貢献を高めること」の達成を目的に、2024年1月に立ち上げました。

はじまりは、2019年に中途入社したデザイナーの板野さんと私が中心となり、広報・ブランディングを担当する経営推進部内にデザイン専任のチームを発足させたことです。それまでは、各事業部にデザイナーは1名といった体制でした。チーム発足後しばらくして、マーケティング部門や新規プロダクトを担当するチームを中心に、デザインの需要が急速に増加しました。新たに「全社的なデザインの一貫性を保つこと」「デザイン業務の効率化」「デザイナーのスキル向上」に関する課題が生まれたため、解決に向けて、デザイナー7名を一つの部門に集約することにした流れです。

―― さまざまな部門から依頼があるとのことですが、主にどのような分野のデザインを手がけているのですか。

赤嶺:
当社は、20年近く提供しているマーケティングSaaSの「Synergy!*1 を運用している一方で、生成AIを活用した日常描写型顧客理解システム「DAYS GRAPHY」をはじめとする新規プロダクトの開発・提供も行っているため、非常に幅広い分野・領域をカバーしています。メインとなるのは、Synergy!をはじめとするプロダクトのUI/UXデザイン、製品サイトやWeb広告、メルマガなどのマーケティング活動に用いるクリエイティブ、イベントやセミナーの販促物などのデザインです。Synergy!のUI/UXデザインは、同じチームに在籍している山本さん、若松さんが担当されています。山本さんは、DAYS GRAPHYの方も担当されています。他にも、既存事業である地域創生事業や金融事業、DX人材の育成事業、メディア事業、コーポレートブランディング関連のデザインなども手がけています。

7名いるデザイナーそれぞれに専門領域があるので、基本的には、他部門から依頼があった内容にあわせてアサインしていますが、「専門性はないけれども、キャリアの幅を広げるために挑戦したい」という意向があれば、柔軟に参加してもらえる体制になっています。

▶︎山本さんが担当する「DAYS GRAPHY」のプロダクト開発術はこちら

若松:
私は中途入社なのですが、実は入社当初、UIデザインは未経験だったんです。先輩のUIデザイナーにフォローしてもらいながら、知見やスキルを身につけていきました。そこから1年が経ち、今ではメインで、Synergy!の新機能を開発する際のUI設計を手がけています。具体的には、プロダクトオーナーやプロダクトマネジャー、プロダクトマーケティングマネジャー、エンジニアたちと連携して、「操作(管理)画面の設計」「ユーザーテスト設計とプロトタイプ制作」「UXリサーチ(ユーザーインタビューやテスト検証の実施・改善)」などを行なっています。

赤嶺:
私の方では、マネジメント業務と並行して、主に新規事業やブランディング関連のデザインを手がけています。「いかに販促面をクリエイティブで支援していくか」「いかに新規事業の立ち上げをスピーディーに進めるか」をテーマにしています。直近で手がけた大きめの案件としては、部門全体としてSynergy!のブランドリニューアルを、個人としては、金融ソリューション事業部が提供する新ソリューション「Bank Up Plus(バンクアッププラス)」やDX事業部のサービスサイトおよび販促を支援するクリエイティブなどです。Bank Up Plusでは、ソリューションのブランドコンセプトの整理から要件定義、ロゴや専用ページのデザインまで担当しました。

瀬戸:
直近では、Synergy!のブランドリニューアルをメインで担当しています。昨年11月にロゴやWebページなどは公開になり、今は少し落ちついているのですが、過去のデザインテイストが残っている部分があるのでその修正や、デザインテイストの修正にあたっての「デザインシステム*2 定義」など、引き続き対応をしています。また、並行して地域創生事業に関するプロダクトも担当しています。

▶︎マーケティングSaaS「Synergy!」の販促物用デザインシステムを定義した話はこちら

―― 皆さんに伺っただけでも幅広い分野・領域を担当されていることがわかりました。デザイナーが一部門に集約されたことでプラスになった点について、お聞かせください。

瀬戸:
いろいろあるのですが、一番は「デザイン業務が最適化され、メンバーそれぞれが自身のスキルを最大限に発揮できる環境づくり」が実現したことですね。デザイナー間のコミュニケーションが取りやすくなったことで、デザインの統一性、業務効率化、工数管理、ナレッジシェアが大きく進みました。プロジェクトに新しいデザイナーが加わる際も、既存のデザイナーがフォローできるので、以前に比べてスムーズに参画できるようになりました。今までは、各事業部にデザイナーは一人という体制で分断されており、フォローしたくても業務内容や状況がわからず、難しい側面がありました。

赤嶺:
メンバーは全部で7名と少人数ではありますが、Webでも印刷物でも横断的に対応できるようになっただけでなく、違った専門性を持つデザイナー同士が協力し合うことで、新たなシナジーも生まれるようになりました。より良いアウトプットを素早く出せるようになったことで、以前よりも高速でPDCAを回せています。
また、依頼する部門側からも、「どの範囲の仕事を、どのデザイナーに頼むのが適切なのかを悩む必要がなくなったので、依頼や相談がしやすくなった」「依頼してから完成までのスピードとクオリティが上がった」などのプラスの声も聞かれています。

―― 目的の一つである「デザインによるプロダクトへの価値貢献を高める」についても、大きな効果がありそうですね。

赤嶺:
そうですね。「クリエイティブのクオリティ」「制作スピード」「貢献できる領域の拡大」の3点において、価値貢献を高められているのではないかと考えています。
一つ目の「クリエイティブのクオリティ」では、先程瀬戸さんも言っていましたが、デザイナー間のナレッジシェアができるようになったことで、新しい観点やスキルの獲得が生まれ、ブラッシュアップできました。二つ目の「制作スピード」では、各デザイナーの専門性や工数によって担当業務を最適化したり、部署を跨いだプロジェクトであってもデザイナー間で情報共有がなされることで、依頼から完成までのスピードがあがりました。これには、FigmaやMiroなどのツールの導入も一役買ってくれています。三つ目の「貢献できる領域の拡大」では、業務効率化で空いた工数を上流工程に当てられるようになったことで、クリエイティブの制作業務だけでなく、企画や要件定義などのフェーズから参加ができるようになりました。その結果、デザイン設計の精度も上げることができました。

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*1 集客、顧客情報の統合・一元化、クロスチャネル・メッセージング、分析まで、企業のマーケティング活動を支えるサービス。
*2 ブランドの一貫性を保ち、制作の効率を向上させるための仕組み。

強みを軸に領域を広げることも、未経験から成長することも可能!幅広いキャリア形成

―― 提供サービスの分野やそれに紐づくデザイン業務が幅広いので、デザイナーとしてのキャリアパスを考える際もプラスになりますよね。先程、「専門知識がない領域でも、希望すれば挑戦できる」というお話がありましたが、それもキャリアパス形成を見越してのことでしょうか。

赤嶺:
その観点もあります。デザインの領域は上流工程から下流工程まで非常に多岐に渡りますが、一方で、将来的には下流工程の制作部分については生成AIなどのツールに任せるケースが増えると予想しています。その背景もあって、現在下流工程を担当しているメンバーにも上流工程に関わる機会を増やしていけたら、という想いもあります。
上流工程からアウトプットまでを一貫して担当できるようになることで、デザイナーとしての価値が向上するだけでなく、プロダクト開発への貢献度やクリエイティブの質も飛躍的に向上します。もっというと、たとえクリエイティブの制作が必要でないプロジェクトであっても、プロダクトの企画や要件整理、設計のフェーズでデザイナーとして価値を提供できることが理想です。

一つの領域を極めることも重要ですが、他の領域を学ぶことでデザインや思考の幅が広がります。そのため、チームの方針としても幅広いスキルの習得を推奨しています。デザイナー個々の成長とチーム全体の強化を図り、より高品質なクリエイティブの提供を実現したいですね。

瀬戸:
上流工程でも下流工程でも、「これは自分の得意分野だ」と言える強みを一つ持つことからスタートし、徐々に領域を広げていくといった流れがベストなのではないかと考えています。

若松:
「下流工程しか担当したことはないが、上流工程もやりたい」と手を上げたら、「じゃあ、一緒にやろうか」と本当にスムーズに話が進んだので驚きました。「今〇〇の事業が忙しいから、そっちじゃなくて〇〇を手伝って」といった指示をされることもないです。未経験に対しての窓口が広く、どんどん新しいスキルを吸収できるので、とてもありがたいです。

瀬戸:
確かに。「新しい領域に挑戦したい」という相談があった際に「それはダメだ」と頭ごなしにブロックする人がいないことも、当社の特徴かもしれないですね。

赤嶺:
それぞれが持っているミッションを達成する前提ではありますが、「やりたいこと」を実現するための方法をいっしょに考える人が圧倒的に多いですね。選択肢が多く、描けるキャリアプランの幅も広い一方で、実現するためには、自分で積極的に学び、スキルを磨く努力が必要になります。自主性の高い方がぐんぐん伸びていく環境ですね。

瀬戸:
もちろん、「はい、やって」と放置するのではなく、一般的なデザイナーレベルまで持っていくためのサポートやキャリアプランの組み立て支援なども行っています。デザイン経験が浅いメンバーは、「入社後はまず基礎的なスキルを身につけ、そのあと、キャリアプランに沿って専門性を高める」といった流れですね。社内には、お互いに教え合う文化が根付いているので、困ったときも他のメンバーがサポートに入る体制が整っています。個人的に、そろそろデザイナーの教育に力を入れたいと考えていたので、このタイミングで一つの部門に集約されたのはとてもよかったと思っています。

若松:
これはどの企業のデザイン部門でもそうだと思いますが、依頼される制作物が膨大で、日々締切に追われる状況になることは多いと思います。そんななかでも、単なる理想論ではなく、「いっしょに考え、業務にあたり、成長していける」環境というのはなかなかないので、この環境を最大限活用しつつ、これからもデザイナー間での情報の共有や業務効率化に力を入れていければと思います。

Synergy!のUI/UXデザインに関しては、FigmaやMiro、生成AIなどのツールを活用して制作業務の効率化を進め、UI/UXの設計やUXリサーチ、デザインシステムの運用・品質管理などにより時間を割けるようにしたいですね。この点でいくと、生成AIはUXリサーチの分野でとても役に立ちそうだなと思っていて。自動で収集したデータの分類をしてくれるだけでも、かなりの工数削減になります。現在人間がやっている作業を徐々にAIに渡していけたらうれしいですね。「DAYS GRAPHY」のUXリサーチやUI設計を担当されている山本さんは、生成AIを利用した業務効率化をいろいろ試されているので、折りに触れて、効果的だった手法を聞いたりもしています。

後日撮影 【撮影場所:WeWork麹町】

赤嶺:
単純作業系は、どんどん生成AIに渡していけるといいですよね。要件定義や実際のデザインなどを考える際のアイディア出し、考慮漏れをなくすといったシーンでも、かなり使えるかなといった印象です。画像生成はブランディングとの兼ね合いがあるので、本格的な活用まではまだまだ時間がかかりそうかな。コードを書いたりするときも便利かもしれない。

瀬戸:
実際に、JavaScriptのコードを書いたり、Figmaのプラグインを自作したい時に使っていますが、結構便利ですね。「今まで技術的なノウハウがなくてデザイナーだけでは実現できなかったことが、生成AIによってできるようになった」という体験は新鮮です。生成AIの活用の有無で手がけられる業務範囲に差が出てくるということは、「生成AIを積極的に活用していかないと、今後取り残される可能性がある」ということなので、まずはできる範囲で、積極的に使っていくというスタンスが良いのではないかと考えています。

一方で、デザイン業務そのものが、生成AIに置き換わるかというと、現時点では不透明だと思っています。ただ、今後、生成AIで出力されるクリエイティブのクオリティが飛躍的に上がったとしても、そのデザインを採用するかどうかを決める、つまり、意思決定をするのはどこまでいっても人間なので、デザイナーとしての機能が損なわれることはないのではないでしょうか。

―― 生成AIなどのツールはあくまでも目的を達成しやすくするための一手段であって、「判断する」という仕事は、人間でないとできないですよね。
今後のプロダクトデザイン部の方針についても教えてください。

赤嶺:
デザイナー間の連携が強化されたことや、効率化を意識するうえでツールの導入が進んだこともあり、この一年でクリエイティブの制作量および制作スピードは大きく向上しました。この点は、とてもポジティブに受け止めています。一方で、全社的なデザインの一貫性の担保やプロダクトの価値をより高めるためのUXデザインの追求は、着手しはじめたばかりです。チーム一丸となって、企業およびプロダクトのブランド価値を高め、より洗練されたクリエイティブを生み出せるように、一歩ずつ前進していきます。

2025年2月現在、在籍しているデザイナーは7名ですが、既存プロダクトの機能改修や新規プロダクトの開発スピードを考えると、まだまだ足りていません。私たちと一緒に、このプロダクトにとって何が最善か考えてデザインに取り組み、成長していける仲間が必要です。上流工程から関わり、イノベーションを推進したい方に参画していただけたらうれしいですね。

瀬戸:
プロダクトデザイン部は、自分の強みを活かしつつも、他の分野にも挑戦してスキルを伸ばすことのできる環境です。デザイナー間の連携もしやすいので、こだわりを持ちつつも時には協調して仕事を進めたいという方には良いと思います。

若松:
私もそうでしたが、未経験であっても、意思があれば、その分野に明るい先輩デザイナーにフォローしていただきながら実務への参加ができます。専門職では、なかなかない環境なのではないでしょうか。「このプロダクトをよりよくするためにはどうすればいいか」を常に考え、試行錯誤しながら挑戦することが好きな方だとフィットすると思います。

プロダクトデザインの観点では、UI/UXの知識やデザイン力だけでなく、さまざまな職種のプロジェクトメンバーとコミュニケーションを取りながら進める力も重要になってきます。人と対話しながら、適切なデザインを作り上げていくのが得意な方、好きな方に参画いただけるとうれしいですね。

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