人+クラウドでひろがる相談の輪
顧客データを安全に管理したい、メールやSNSを使ってステークホルダーと直接コミュニケーションしたい、インターネットを使って効率的に集客をしたい… CRMツールの典型的な利用用途の背景には、企業ごとに異なるさまざまな課題や仮説、小さな困りごとがあります。
すべてのお客さまに私たちのサービスをもっと効果的に、もっと楽しく使いこなしていただきたい、と考えているシナジーマーケティングのスタッフは、創業から20年以上にわたってさまざまなご相談に耳を傾けながらお客さまとの伴走を続けています。
お問い合わせへのお返事から始まって、セールス、導入支援。ご要望に応じて設定代行、データ分析、テクニカルサポートまで。1社の企業がクラウドシステム「Synergy!」を使いこなせるようになっていただく過程で、直接お客さまからご相談をいただく部門は多岐にわたります。
これからお届けする3つのインタビューでは、ベテラン営業の井上さん、カスタマーサクセスグループの西村さん、 サービスデザイングループの多久さんと事業戦略グループの東山さんの3組に「相談」をいただくことの大切さについて語ってもらいました。
VOL.1 |ベテラン営業 井上さん
「井上さんは営業マンっぽくないですね」とお客さまからも社内からもよく言われます。決まったものを売ることがあまり好きではないんです。
お客さまから相談いただいたことはその場で断らずに受けることを心がけています。断ってしまうよりも、考えてやってみるほうが面白いですよね。一見当社の事業ドメインからははずれていそうなことでも、社内のスタッフやビジネスパートナーのスキルと経験、さらには自分や上司の人脈などと照らし合わせながらお客さま企業のことをじっくり考えてみると、何かしらお応えできることの方が多いと思います。
そこからビジネスパートナーのご紹介や選択肢の提示で終わることもありますし、具体的な当社のお仕事につながることもあります。デジタルマーケティングに限らず、 例えばノベルティグッズの製作や展示会のブースの設営など。新しい製品ブランドのデザインをお手伝いしたこともありました。
お客さま企業の担当者から「こんなことも井上さんに考えてもらったりできます?」と相談していただけることは、自分にとってはとてもうれしいことです。相談をいただいた段階では、予算とか人月とか納期とか、そういうことはほとんど考えていません。はじめての商談では、あまり具体的な答えを用意せずに臨むことが多いですね。CRMの提案だけをする会社だと思われたくないんです。
決まったものだけを売るためにポジショントークをしないところ。そしてCRMの導入時だけではなくその後の運用に重きを置いて、より良い取り組みになるようにサポートを続けるところ。これは自分だけではなく、シナジーマーケティングの営業に共通する良さというか性分だなあと感じます。最初は個人的にご相談をいただき信頼してもらった結果、会社としての評判も自然と上がっていくというのが理想です。
お客さまのビジネスに興味を持って勉強を続けることはとても大事ですが、ご相談に応える際には、一般的な生活者の視点から意見することを心がけています。自分がお客さまから相談していただける理由のひとつかもしれません。
自分がこれまでにお付き合いさせていただいたお客さま企業の担当者を振り返ってみると、自社に愛着があって突破力がある人、勉強熱心な人が多いですね。
相談をいただく方々の多くに共通する課題は「顧客のことをもっと理解したい」です。そのために、「ユーザーが何を考えているのか、何に価値を感じているのかまだわからない」という漠然とした不安や、「もっとちゃんとユーザー理解のための活動をしたいけど、社内での共感を得ることに苦労している」というCRM担当者ならではの課題や悩みを伺うことも多いです。
担当者さんから自分に、ざっくばらんにご相談いただいたことがきっかけで長いお付き合いになることが多いですね。すでにお客さまの中で答えをお持ちでクイックな手段だけを求めていらっしゃるケースは、自分との相性はあまり良くないかもしれないです。
自分がシナジーマーケティングで営業を始めた17年前と比較すると、顧客のデータを貯め込むことではなく、そのデータをどう顧客のために活用するかについてお客さまと議論することが多くなったと感じています。
そういったお客さまへの支援では、まず現状の顧客理解を深めるための調査のサポートから始まり、その分析結果を共有する報告会でお客さま社内での賛同者を増やします。お客さまの中で一定の顧客理解ができると、いただく相談の数も解像度も上がってきますので、当社のサービスで応えられるものはご提案し、難しいものも引き続きなんとかして応えます(笑)
現在、5つのお客さま企業と定例会を行っています。数字を読み合わせて報告するだけの会議ではなく、アジェンダから脱線もしながら、大小さまざまな相談を気兼ねなくしていただける場として、コロナ禍で難しいときもありますが、できるだけ対面でご相談に乗れるように努力しています。
また近年では、複数の企業の担当者さんが参加する交流会も企画しています。比較的大きな企業でも社内のCRMの企画担当者は1〜2人しかいません。だからこそ、社外の自分にご相談いただいているわけですが、悩みや課題を打ち明けて励まし合うのであれば、当事者同士でもやっていただいたほうが、勇気づけられ、連帯感が高まり、みなさんのCRMのお仕事がもっと楽しくなると考えたからです。
このように複数の企業の担当者さんとの横のつながりが拡がってくると、お互いが「評価」を交換し合っているコミュニティのような感覚があります。いただいた相談に応えることでコミュニティでの評価は自然と上がり、期待値も上がっていきます。そのようなお客さまには、時には自分の方から相談をして助けていただくこともあります。
前例のないチャレンジや新しい取り組みを行うためには、そのような評価と期待が必要です。
これからもよき相談相手であり続けることで、お客さまや協力会社さんと一緒に楽しみながらお仕事を続けることができればと思っています。