一緒に成長し続けた15年。真剣なキャッチボールが育んだ、唯一無二のパートナーシップ − 株式会社キャスト様
2008年にシナジーマーケティングに新卒で入社し、現在クラウド事業部でマネージャーとして活躍する阪口さん。これまでさまざまなお客さまや販売パートナーさまと関わってきましたが、ひときわ思い入れの深いパートナーが、静岡県沼津市のデジタルエージェンシー・株式会社キャスト様です。阪口さんが入社した2008年から現在に至るまで、お互いの担当者も変わることなく15年間にわたりパートナーシップを築いています。
企業として長くお付き合いしているパートナーは数あれど、15年間も同じご担当者さまと接点を持ち続ける関係性は、シナジーマーケティングの歴史においても珍しい例です。お二人はお互いをどのように捉えているのか、また、今後どのような関係を築いていくのか。
株式会社キャスト 代表取締役の鈴木是哉様を迎え、阪口さんとともにこの15年を振り返っていただきました。
(取材/編集:経営推進部 ブランドマネジメントチーム)
ゼロからのスタート。同じ方向を向いて成長してきた二人
――― 2000年に創業し、今年で22年目を迎える株式会社キャストさま。現在はアプリやシステムの開発など、デジタル領域で広く活躍されていますが、シナジーマーケティングと出会う以前は、デジタル分野での実績はほとんどありませんでした。
キャスト鈴木:
今でこそシステム開発・アプリ開発を多く手掛けていますが、創業当初はテレビ・ラジオなど広告媒体の手配や、印刷物などを主に行う広告代理店でした。2007年にデジタル部門を作ったものの、当然経験も売上もありません。そんな中、地元のクリーニング店からメルマガの相談が入り、あの会社、この会社と調べていてシナジーマーケティングという会社を知りました。いろいろ話を聞くうちに、「ここならうまくできそうだ」と思ったのがきっかけです。
シナジーマーケティング阪口:
履歴を見ると、2008年の5〜6月頃にお問い合わせを頂いていますね。実は私、その年の4月に新卒で入社したばかりだったんです。その頃、現場に出るためにずっとテレアポをし続ける期間があり、たまたま鈴木さんの電話を取ったのが私でした。
当時はPCのタイピングすらまともに打てない状況で、鈴木さんの言っている内容も理解できないことがほとんどでした。とにかく聞き洩らさないようにメモをとり、社内を駆け回っていろんな人に聞いていましたね。お問い合わせを頂くたびに調べて学ぶ、というサイクルでした。
鈴木:
1年目だったんですか!お若いとは思っていましたが、新卒だとは知りませんでした。でも当時は僕もデジタルの知識が、今と比べればゼロに等しい状態だったので、同じレベルからのスタートだったのでしょうね。さほど違和感はありませんでした。わからないことは自分がわからない限り前に進めないので、もう聞くしかないと思って、いろいろとよく質問していました。そのときに頂いた知識や情報は、今の僕の中でも重要な財産になっています。
――― お互いに知識ゼロの状態から、学び合いながらパートナー関係を構築してきた両者。2009年の秋葉原でのセミナー登壇により、結束はより強固なものになったといいます。
鈴木:
当時は貪欲だったんです。とにかくデジタル部門の売上を伸ばさなくてはと思い、仕事につながることをさせてほしいと頼んだところ、シナジーマーケティングが「集客をして売上アップ」というテーマでセミナーを企画しクリーニング店でのメールマーケティング事例を紹介する機会を作ってくれました。
ちょうどシナジーマーケティングも顧客やパートナーを増やしていく時期で、目的意識が同じ方向を向いていたのかなと思います。キャストは静岡の小さな会社でしたが、そういう気持ちが一緒だったからセミナーもやってくれたのでしょうし、僕もぜひ出たいですと即答しました。
阪口:
当時は弊社も外部のパートナーさんとビジネスの幅を広げていくことをミッションとしていました。お客さまやパートナーさんの語るリアルな事例には説得力がありますから、御社とセミナーをご一緒できたのはシナジーマーケティングとしても貴重な機会でした。
鈴木:
2009年のそのセミナーを機に、当社のデジタル業務は発展していくことができたわけですが、セミナーを開催してくれるようなパートナーは、後にも先にも御社だけでした。そういう意味では、親身になって一緒に発展を目指していけたのは大きかったですね。
転機となったシステム開発、今ではSynergy!活用がキャストの強み
――― その後、2010年頃からキャストさまはシステム開発も手掛けるようになります。あるプロジェクトが、シナジーマーケティングとの関係を確固たるものにしました。
鈴木:
2010年に大手レンズメーカーのアプリ開発を支援したのは、当社にとってもターニングポイントになりました。システム開発でもSynergy!がかなり役立つとわかり、僕の中で発想が切り換わった瞬間です。それまで、Synergy!はデータベースとメール配信をセットで必ず使わなければいけないと思い込んでいました。けれど、実は一番根底にある顧客データベースを、APIを使ってシステムの一機能として組み込めば、個人情報の取り扱いも含めたシステムが構築できます。また、顧客データベースとしてSynergy!を組み入れることで、個人情報を預けるクライアント側も安心してプロジェクトを任せられるようになるんです。「こういうSynergy!の使い方があるんだ」と道が通じた気がしました。
当社もプライバシーマークは取得していますが、取引先での審査の際に個人情報の管理については必ず聞かれます。その時に「Synergy!に一切預けています」と答えれば「じゃあ大丈夫ですね」で終わりなんです。シナジーマーケティングはISMSを取得していて、Synergy!はこれまで20年間にわたり大きな事故もなく安全な運用をしているので、お客さまの信頼度は間違いないと思います。
阪口:
Synergy!を使って個人情報管理を徹底したシステム構築は、今やキャストさまの強みの1つにしていただいていますよね。
鈴木:
もちろんです。個人情報を格納するコアのデータベース設計は当社が1年や2年、10年かけたってシナジーマーケティングには勝てません。だから当社は、お金をかけて、歴史をかけて、実績を重ねて作られているSynergy!を使わせてもらっています。そこはもう、乗っかったほうが安いです。
おそらく業界内でも、みんなSynergy!をベンチマークして開発しているのではないでしょうか。シナジーマーケティングとこれだけお付き合いが続き、Synergy!を活用できていることは大きな強みだと思っています。
成長の転機は「ぎりぎりを攻めるキャッチボール」
――― 2008年のお問い合わせ以来、奇跡的に両社とも担当者が変わらず、鈴木さんと阪口さんの関係は15年間続いています。その理由、秘訣はどこにあるのでしょうか。
鈴木:
まず、阪口さんに対して不満がなかったですよね。私からのリクエストに対してなければない、あればある、あったらこういうもの、と必ず何か返してくれるのでストレスがないというか。そのキャッチボールが成立するのが心地良かったのかなと思います。
阪口:
当時は新卒入社したてで問い合わせ対応のセオリーを全く知らなかったんですよね。「できる・できない」の二択しかないと思っていたので、ご要望を伺っても、既存の機能でできるかどうかしか考えられていませんでした。できないものはできないので「すみません」と話すと、鈴木さんは「どうすればやりたいことをできるかな」と、ご自身で仕組みが納得できるようになるまで諦めずにずっと質問を下さるんです。
「できる・できないではなく、やりたいことを実現する方法が知りたいんだ」と学ぶ機会になったので、それに気づいてからは、鈴木さんとのキャッチボールは私も全然ストレスになりませんでした。むしろ製品理解を深めたかった私としては「来た来た、これでまた詳しくなれるぞ」とアドレナリンが出ていたぐらいです。
鈴木:
諦めがつかないのは僕の悪い癖ですね。なぜそうなるかというと、お客さまが待っているから。お客さまから「Aをやりたい」と言われて「できませんでした」で終わらせるのが僕は嫌なんです。「AはできないけどA´はできます」とか、「A´も無理だったけど、A寄りのBはできます」とか自分にできる範囲のことを返せば、お客さまも「それいいね」か「Aでないとダメなのでやめよう」か、次の判断ができる。お客さまに納得していただける要素を求めていたのだと思います。
阪口:
この考え方に気づいて、私の商談の仕方は劇的に変わりました。Synergy!のように機能として完成したものを売る場合、大抵は表面的な機能での可否に終始してしまうのですが、鈴木さんとのキャッチボールを思い出して「こういう方法ならできますがどうですか」と代案を立てると、多くのお客さまに受け入れていただけました。カスタマイズ次第で実現できる「ぎりぎり」のラインも諦めずにちゃんと攻める、という今の私の営業スタンスは、鈴木さんとのやり取りで学んだ私の財産です。
鈴木:
阪口さんがぎりぎりのラインを開拓することで、Synergy!が実現できる領域も少しずつ広がっていったわけですね。
阪口:
そうなんです。そういう案件が成功すると、公式機能として実装されたり、社内にノウハウが共有されることによって、同じような案件が他にも生まれたり、弊社内にもインパクトがありました。何より私自身が1年目、2年目の段階で自社製品にグッと詳しくなれたので、それが売上などの結果にもつながりました。鈴木さんとのキャッチボールは私にとって大きな転機の一つだったと思います。
―――鈴木さんは製品だけでなく、シナジーマーケティングの営業ツールもうまく活用してくださっています。
鈴木:
僕は営業をするときに、キャストの会社紹介に加えて、Synergy!のパンフレットと阪口さんから頂いた導入企業一覧表を必ず持っていくようにしています。大小さまざまな企業のロゴが並んでいますが、「銀行も使っています」と言うと必ず納得してもらえます。詳しい説明をしなくても、ちゃんとした会社、ちゃんとしたシステムだということがそれだけで伝わるんです。システムだけでなく営業ツールも、我々パートナーがいかにうまく使うかが大事なのかなという気がします。
阪口:
機能だけを見れば、今や競合他社もほぼ横並びです。ただ、当社は他より長くやっている分、事例の積み重ねがあります。金融から小売、エンタメ産業までさまざまな業種で採用していただいているので、並べたときのインパクトには一日の長があると思います。そこに着目し、かなり早い段階から使いこなしていただいたキャストさまの営業ノウハウも、他の代理店さんには真似できないところですね。
鈴木:
当社の実績も増えているので、そういう意味でも安心してもらえる要素になっていると思います。
阪口:
キャストさんは10年以上に渡る、Synergy!を組み込んだシステム開発の知見をお持ちです。その実績によってキャストさんのお仕事が広がり、これからも当社が付き添えるのならこんなにうれしいことはありませんね。
「もう少しおせっかいを」シナジーマーケティングに期待すること
――― 高く評価していただいている一方で、シナジーマーケティングにはさらに期待したい点もあると鈴木さんは語ります。
鈴木:
会議の中でSynergy!の説明をしていると、「それは実現可能なんですか」と聞かれて僕では明確に答えられないこともあります。そういう場合、会議の場ですぐ阪口さんに電話をするんです。阪口さんも大体出てくれるので、「これってできるの?」「ああ、大丈夫ですよ」と確認を取ってまた会議を再開する、ということがよくあります。
阪口さんは大体のことにすぐ答えられるんですが、そのスピード感ってすごく重要だと思うんです。質問をしてその場で答えられる営業の方はそういないと思います。僕だってシステムのことを聞かれてもすぐには答えられません。
ですので、他のスタッフの方の知識も阪口さんのように上げていってもらえると「シナジーマーケティングはサポートが違う」と言えるので、他社との差別化として提案の説得力が増すと思います。
また、阪口さんに質問すると「こういう事例があるので送ります」とすぐに関連資料を送ってくれて、その資料も少し加工すればそのまま提案に使えることが多いんです。でも、さすがに夜中まで電話するわけにはいきません。サイト上にケース別の事例集がPDFではなく加工して活用できる形式で公開されていると、すごく便利だと思います。
阪口:
パートナーさんへの情報提供の仕組みづくりは、今まさに取り組んでいるところです。
鈴木:
別に阪口さんがいればいい話なんです(笑)。でも、そういう人はなかなかいないから、「ここにあります」とすぐに送れる素材集のようなものがあってもいいのかな、と。
阪口さんのメールの署名にサービスポリシーとして書かれている『徹底的に おせっかい』が僕は好きなんですが、その点はシナジーマーケティングがもっとおせっかいになってくれても良いんじゃないかと思います。
付かず離れずの15年、秘訣はビジネスライクに真剣にやっていくこと
――― 定期的に問い合わせなどのキャッチボールは続いているものの、対面するのは数年ぶりだという鈴木さんと阪口さん。最初の問い合わせから15年経つことにも驚きつつ、この関係を続けてこられた理由を次のように語りました。
鈴木:
僕たちの関係性は、良い意味で壁があるのだと思います。あまり近すぎるとややこしくなる部分もあると思いますが、僕は阪口さんとはビジネスのことだけ話すので、プライベートなことはあまり知りません。最後に一緒に食事をしたのも2009年じゃないかな。
阪口:
実は、3年前に鈴木さんがキャストの社長に就任されたこともしばらく気づきませんでした。大変な失礼をして申し訳ありません!
鈴木:
そういえば、直接お伝えしていませんでしたね。Synergy!に関するやり取りは変わらず続いていたのに(笑)。15年も経てばお互いに肩書も変わります。僕はそういうことをあまり気にしないタイプで、逆に接待のようなビジネス以外の部分で気を遣い合うのはあまり得意ではないんです。そういう意味では、ビジネスライクに真剣にお付き合いさせてもらっていたのが、これまで長く続いた秘訣なのかもしれません。親しくなりすぎると「なあなあ」になってしまうという話も聞きますが、我々に関してはそういうことがなかったです。
阪口:
東京のお客さまが多い鈴木さんと大阪エリアを中心に動いている私とで、物理的に距離があったことも関係していますよね。弊社も、接待のようなコミュニケーションにあまり積極的ではありません。私は新卒でシナジーマーケティングに入社したので、意図的にそうしていたというよりも、シナジーマーケティングの文化として理解していました。
鈴木:
そこがキャストと似ていたのでしょうね。当社も仕事以外でのコミュニケーションを禁止しているわけではありませんが、好んで取り入れる組織ではないので。
阪口:
お互いに適度な距離感を保てたからこそ、こうした自然体の関係性が続いたのかもしれませんね。これからも無理なく、続く限りよろしくお願いします。
――― ビジネスライクであり、どこか通じ合っている。自然体であり、真剣。同じ方向を目指してベストを尽くすことが、自分にも相手にも利益となって還ってくる。今後もそれぞれに活躍の場を広げつつ、この関係が20年、25年と淡々と続いていく姿も想像できるようなインタビューでした。
ご協力いただいたパートナー
株式会社キャスト
静岡県沼津市で2001年に創業、2015年には東京オフィスを開設。ソリューションありきではなく、最もフィットした形をフラットに提案していくのが企業スタイル。クライアントやユーザーが使いやすいシステムを提供する「ユーザーファースト」をコンセプトに、アプリ開発やWEBシステム開発を東京を中心とするクライアント企業に提供。