クボタ様とステークホルダーをつなぐ架け橋に | デジタルマーケティング活用による情報発信強化をご支援

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左から順に、当社の杉山、橋爪、鈴木、株式会社クボタ エンジン事業部様

株式会社クボタのエンジン事業部様は、創業以来、先進のテクノロジーと熱意で、つねに市場に求められるエンジンを作り続けるだけでなく、産業の発展や環境対応テクノロジーで地球環境の保全にも貢献されています。また、それらの情報を必要とするステークホルダーの方々にお届けすべく、情報発信にも注力されています。

コロナ禍による市場変化でデジタルコミュニケーションの重要性が高まっていることを背景に、2023年からWebサイトおよびそこで発信するコンテンツの強化に向けた取り組みをスタートされました。シナジーマーケティングのDX事業部(以下、当社)は、本プロジェクトにおいて、Webサイトの活用を中心とする情報発信強化のための発信設計をご支援しました。

株式会社クボタ

クボタは生活に欠かせない食料・水・環境の領域において、多彩な製品・技術によるソリューションを提供しています。米一粒、水一滴から社会・産業の基盤まで、クボタのソリューションは人々の暮らしを支えています。
https://www.kubota.co.jp/

※掲載された情報は、取材当時(2024年7月)のものです

クボタ様とステークホルダー双方のニーズを満たす情報発信実現を目指して

本プロジェクト発足のきっかけは、クボタ様の複数の事業部で実施されていたマーケティング勉強会に当社が登壇したことです。20年以上に渡って培ってきたデジタルマーケティングの知見とコミュニケーションの質を評価していただき、デジタルを活用した情報発信強化のご支援をすることとなりました。

クボタ様がエンジンを製造、販売するプロセスにおいて、事業存続に関わるステークホルダーは多岐に渡ります。加えて、コロナ禍の影響から、Webを活用して情報収集をする傾向が強まっているため、Webサイトをはじめとするデジタルコミュニケーションを強化する必要がありました。

それを受けて、2023年8月に、「デジタルマーケティングの活用によって、ステークホルダーにクボタのエンジンに関する情報を適切に提供する」ことを目的に発足しました。目的を達成するためには、国内外のステークホルダーのニーズを理解したうえでクボタ様が発信したい情報とすり合わせ、提供するコンテンツの作成やそこに到達してもらうためのWebサイト内導線を作る必要があります。そこで、「ステークホルダーが必要としている情報」「クボタ様がステークホルダーに提供すべき情報」「ステークホルダーのタッチポイント(チャネル)」を調査・分析したうえで仮説検証を行い、情報発信方針を策定すべく、プロジェクトを以下2段階のプロセスで進めました。

  • phase1「ステークホルダーの理解・ニーズの仮説立て」
    ステークホルダーが必要とする情報やよく使うタッチポイント(チャネル)の調査を行い、仮説を立てる。調査は、主にWeb上で得られる情報を調査・分析する定量調査と、ステークホルダーに直接ヒアリングを行うインタビュー調査を並行して進める。
  • phase2「ステークホルダーごとの情報発信方針の策定」
    ステークホルダーごとに必要とする情報およびどのチャネル(オフライン・オンライン)で提供するのが適切かを検討したうえで、クボタ様が届けたい情報やタッチポイントへのつなぎ込みなどを設計する。

発信情報・タッチポイントの最適化にはステークホルダーへの聞き取り調査が重要

phase1「ステークホルダーの理解・ニーズの仮説立て」を進めるために、クボタ様の公式サイトの分析やステークホルダーへのインタビュー調査などを行い、ステークホルダーが必要とする情報とよく使うタッチポイントを洗い出しました。

洗い出しを進めるにあたって、ステークホルダーのニーズの仮説を作り込みすぎたり、仮説ありきでインターネット調査やインタビュー調査を行わないように留意しました。柔軟かつアグレッシブにステークホルダーの方々にインタビューを行ったことで、インターネット調査では拾いきれないリアルな声を集めることができました。インタビュー調査が進むにつれてステークホルダーのニーズの輪郭が浮かび上がり、プロジェクトメンバー間の認識も揃っていきました。ニーズのアウトラインが見えてきたことでディスカッションも活発化し、総論が固まっていった流れです。

クボタ様より当社コンサルタントの鈴木に、エンジン業界や機械業界のことを密にインプットしていただいたおかげで、大変スムーズに進めることができました。

ステークホルダーごとのニーズやタッチポイントの仮説立てを整理した表

ステークホルダーのニーズおよびタッチポイントに関する仮説(上図)をもとに、クボタ様とステークホルダーの関係性を整理しました。「クボタ様がステークホルダーに求める動き」「求める動きを引き出すために、ステークホルダーに知ってほしい情報」「ステークホルダーが必要としている情報」の3つの観点で整理しています。

クボタ様とステークホルダーの関係性を整理した図

関係性を整理したのち、「クボタ様がステークホルダーに求める動き」の観点から、似た傾向のあるステークホルダーをグルーピングして9つにまとめました。その後、それぞれのグループのニーズとクボタ様が伝えたい情報のマッチング度合いとタッチポイントの有無を確認。現状および課題点について仮説を立て、ステークホルダーごとの優先順位を決めていきました。

グループごとにマッチング度合いとタッチポイントの有無を整理した図

「最適な情報発信設計」は時流とともに変化していくもの

ステークホルダーごとの仮説をまとめたうえでクボタ様が伝えたい情報と突合し、今後の「情報発信の方針」「Webサイトの構造」「発信すべきコンテンツ」などを組み立てていきました。

一例ですが、クボタ様とステークホルダー双方のニーズがマッチし、タッチポイントもWeb上にある場合は、各ステークホルダーが必要とする情報がWebサイトのどこに掲載されているのかわかりやすくするために、「コーポレートサイトを活用して、該当Webページへの導線を追加するのが有効ではないか」などの議論をしました。一方、双方のニーズがマッチしない場合は、「ニーズを満たす情報が提供できるかどうか検討する。そもそもタッチポイントがWeb上にないステークホルダーには、営業活動や展示会などオフラインでのタッチポイント設計を検討するのはどうか」といった議論を行いました。

クボタ様より、「勉強会の講義内容から、デジタルマーケティングに高いレベルで精通した企業だと感じていましたが、今回のプロジェクトでも提案のクオリティの高さに驚きました。コミュニケーションの質も高く、会議やディスカッションもスムーズに進み、プロジェクトの感想として ”楽しかった” が最初にくるほど上手く進行していただきました。今回学んだステークホルダーの調査手法や情報のまとめ方などは、この先も活用できる当事業部の財産になりました。ステークホルダーのニーズは時間の経過とともに変化していくので、今後も定期的に調査を行い、発信する情報をチューニングしていきます」とのご感想をいただきました。

今回のお取り組みで、Webを主眼に置いたデジタルコミュニケーションの方針がある程度固まりました。今後は、「エンジン事業のバリューチェーン上のさまざまなステークホルダーとの距離をより縮めるためにも、展示会などのオフラインの情報発信とあわせて、Webサイトを中心としたオンラインでの情報発信を整備・強化し、情報収集経路による格差をなくし、事業強化につなげる」「勉強会や研修を行い、事業部内をはじめとしたデジタルマーケティングリテラシーのさらなる向上を目指す」など、さらに一歩踏み込んだ施策の実施を考えていらっしゃるとのこと。クボタ様の理想実現に向けて、引き続き、当社もお力添えさせていただけましたら幸いです。

今回のお取り組みに寄せて

杉山 健太 / シナジーマーケティング株式会社 DX事業部 部長

クボタ様にとってマーケティング領域におけるDX推進のひとつの成功モデルになりえる本プロジェクトにご一緒させていただき、大変光栄です。常日頃からステークスホルダーとのコミュニケーションをとても大事にされているクボタ様だからこそ、ここまで精緻かつ最適化されたデジタルコミュニケーション設計を実現できたのだと考えております。

我々が20年以上培ってきたデジタルマーケティングの設計ノウハウが、少しでもクボタ様の理想実現のお役に立てていただけましたら幸いです。これから新たに発信されていくコンテンツを、一読者としてもとても楽しみにしております。この度は、誠にありがとうございました。

(取材・編集/シナジーマーケティング ブランドマネジメントチーム)

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