地方の企業こそ、デジタルマーケティングを活用した集客が有効!地域経済活性化に向けた新宮信用金庫様と地域事業者様の取り組み

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後列左から、当社 足立、地域事業者の皆さま、新宮信用金庫 前山様、須川様
前列左から、当社 福井、藤井、地域事業者の皆さま

2025年2月より、シナジーマーケティング(以下、当社)は新宮信用金庫様と連携し、地域企業のデジタルマーケティング支援プロジェクトを開始しています。本プロジェクトでは、新宮信用金庫様の取引先企業を対象に、地域集客に特化した4つのデジタルマーケティング施策に関する実践的な「地域集客4大施策習得講座」を提供。施策の概要やノウハウだけでなく、実務に即したChatGPT(OpenAI社が開発したAIチャットボット)やCanva(無料で使えるデザイン作成ツール)などのツールの活用方法もお伝えします。これにより、地域事業者様および地域経済の活性化に貢献することを目的としています。

本講座には、和歌山県新宮市近郊の地域事業者様9社(建設業、小売業、宿泊業、物品賃貸業、製造業、士業 など)の経営者から営業、事務まで、幅広い職種の方が参加されました。本レポートでは、講座の内容や受講による変化、期待できる効果についてお届けします。

▶︎地域企業のデジタルマーケティング支援プロジェクトの概要はこちら

■地域集客4大施策習得講座とは
「Google ビジネスプロフィール」「SNSの運用」「SNS広告出稿」「Webサイト」の4つの手法について、3か月間で3回(計12時間)の講義で地域ビジネスの集客に特化したノウハウを学ぶことができる。座学と実践的なワークショップで実務に沿った施策の運用が学べるため、デジタルマーケティングの基礎知識にくわえて、自社の集客力向上に向けてすぐに使えるノウハウの習得が可能。講師は、当社のDX事業部が提供するデジタル人材育成サービス「デジハイク」の講師陣(コンサルタント)が務める。

■デジハイクとは
これからデジタルマーケティングを始める企業様やもっと効果的な取り組みがしたいと考えている企業担当者様・部署向けに「講義とワークショップ」を組み合わせて実施するサービス。講義でわかりやすくデジタルマーケティングの基礎知識を「インプット」、続くワークショップでそれらをベースにした参加者各自の考えを「アウトプット」できるので、課題発見や施策検討などを「体感」しながらデジタルマーケティングの基礎を学んでいただける。
https://digihike.synergy-marketing.co.jp/

地域集客4大施策習得講座を受講することによる効果

業績向上の一番の要である「集客」の課題解決を目指して

本プロジェクトは、昨今の時流を鑑み、新宮信用金庫様が長期3か年経営計画として自金庫の「デジタル人材の育成」「Webサイトのフルリニューアルなど、デジタル化に向けたさまざまな取り組み」に着手されたことから始まります。令和6年度よりスタートした「中期3か年経営計画」として「DX推進」「地域的・社会的課題への対応」も加わったことで、地域事業者様のデジタルマーケティングスキル向上を支援することで企業成長に貢献し、地域経済全体の活性化につなげることを目的に、2025年2月より本格始動となりました。その一環として、2月から4月にかけて「地域集客4大施策習得講座」を開催。講座終了後には、参加企業様への個社別の支援も予定しています。

講座への参加募集は、新宮信用金庫様が次世代の経営者育成のために取り組んできた「しんぐう信金TKC経営者塾」の卒業生で作る「しんぐう信金経営塾100人会」の会員様を対象としました。板美商店様井上建設株式会社様上道キカイ株式会社様、株式会社尾呂志屋様、新宮ゲストハウス奏様、田中建設株式会社様をはじめとする9社が参加。BtoCだけでなく、BtoBの企業様も多くいらっしゃいました。

参加理由としては、「SNSや生成AIの活用といったデジタルマーケティングの手法を学ぶことで、企業や商品・サービスの認知度向上、集客力強化を実現したい」「人手不足かつ採用も難易度が高いため、省人化・業務効率化をしたい」「(地域的に熊野古道が近く、観光客が多いため)情報発信によるインバウンド対策を行いたい」といった声が聞かれました。

■講座への参加理由(一部)

  • SNSでの宣伝や宿泊施設内に掲示する設備の使用説明に記載する画像を、Canvaで作成したい。
  • デジタルマーケティングの必要性は理解しているが、一歩を踏み出すのが難しい苦手分野だったので、実際にレクチャーしてもらえる今回は良いチャンスだった。
  • デジタルマーケティングの手法や生成AIの活用などについて、勉強したいと考えていた。
  • スキルアップが目的。ターゲット層に刺さるおしゃれなInstagramの投稿をすることで、集客に活かしたい。
  • SNSをはじめとするデジタル技術をうまく活用することで、業績向上を狙いたい。

デジタルマーケティングによる集客に注力しようと考えた背景には、以下のような課題感があったとのことです。

■課題感(一部)

  • 海外の旅行客が増えたため、施設内の設備の使用説明が日本語だけでは伝わりにくく、図による説明を追加する必要が出てきた。
  • 求人募集をする際に、競合他社の求人票との差別化やデザインの見やすさに課題を感じていた。
  • 自社のInstagramを活用した集客に行き詰まりを感じていた。
  • 集客に関する情報発信の材料が少ないことを懸念にしていた。
  • 業務効率化や情報発信力の強化のためにChatGPTを活用したいと考えていたが、独学で使いこなすのが難しかった。

講座ではデジタルマーケティングの概要説明から始まり、「地域における集客でデジタルマーケティングが有効な理由と成果を出すためのポイント」をお伝えしました。続いて、ワークを通じて「顧客理解の重要性」を体感していただきながら、顧客理解を深めるために不可欠なペルソナやカスタマージャーニーの作成、顧客データ分析の具体的な手法を解説しました。

デジタルマーケティングの基礎講座が終わったところで、いよいよ今回のメインテーマである「4大集客施策」へ。まず「Google ビジネスプロフィール」「SNSの運用」「SNS広告出稿」「Webサイト」それぞれの概要を説明し、ワークで施策立案やツールを活用した実務を体験していただきました。

数あるデジタルマーケティングの施策のなかから、前述の4つのテーマを選択した理由について、今回の講座開催を企画・推進された新宮信用金庫の前山様は、「首都圏に比べて人口の少ない地方だからこそ、企業の業績向上を実現するためには、まずは自社の製品・サービスの情報を県外・海外を含む多くのステークホルダーに届けて興味関心を持つ人を増やす、つまり認知度向上と集客に力を入れなければなりません。この点において、デジタルマーケティングの活用が大変効果的であるため、選択しました」と語られました。一口に集客施策と言っても手法は多岐にわたりますが、そのなかから「デジタルマーケティング未経験者でも手軽かつ低予算でスタートできる」「比較的早く効果が出る」「顧客との接点を創出する」の3点を重視して選ばれました。

■各テーマの講座概要

  • Google ビジネスプロフィール
    実際の検索画面を提示しつつ概要を説明したうえで、「Google ビジネスプロフィールの効果」「始め方」について具体的な手法とともに解説。あわせて、開設したまま更新せずに放置するリスクも実例を交えて紹介。
  • SNSの運用
    SNSマーケティングの重要性やメリット・デメリット、運用フロー、SNSの種類別の特徴を解説。SNSに記載するプロフィールの作成手順やセオリー、良い参考例などを紹介したあと、ChatGPTを活用したプロフィール作成にチャレンジ。あわせて、コンテンツ企画・制作や効果計測、炎上対策などの手法についても具体的に紹介。
  • SNS広告出稿
    Web広告の定義を説明したうえで、SNS広告の特長や始め方を紹介。広告を出稿する目的や盛り込みたい要素をどのようにしてクリエイティブ(広告を配信する際に必要となる写真や画像などのデザイン素材)に落とし込むのか、ワークを通じて体験。実際に、自社の製品・サービスの特長やメリットを整理したのち、Canvaを使ってクリエイティブを作成するところまでを実施。
  • Webサイト
    Webサイトの役割(企業視点・顧客視点)や目的に沿った運営、効果計測の重要さを解説。あわせて、お客様の声を集めるためのツール(Google フォーム)や効果計測ができるツール(Google Analytics 4)の具体的な使い方も紹介。

「取得したスキル・知識をまず実践してみること」が成果を出す近道

受講後に行った参加者様へのアンケートでは、「期待通りに満足」71.4%、「期待以上に満足」28.6%と満足度の高い結果となりました。「Google ビジネスプロフィール」「Webサイトの活用」が有用だった、との回答が全体の8割を占めました。

参加者様のなかには、受講前に「ペルソナやカスタマージャーニーなどをはじめとするマーケティングの基礎知識がない状態なので、レベルが高い講義だったらどうしよう」「知識もスキルもない自分には難しいのでは……」といった不安があった方もいらっしゃいました。
しかし、実際に受講してみたところ、「知識やスキルがない状態だったが、問題なく講座の内容が理解できただけでなく、手を動かして実践するところまでできた」「マーケティング施策やその手法の解説だけでなく、実際のツールの操作方法まで詳しくサポートしてもらえたので、安心して学ぶことができた。帰宅したらすぐにツールをダウンロードする」「新たな気づきを多く得られた。今後の実務に活かしていきたい」などの非常に前向きな感想が聞かれました。受講後すぐに行動に移される方も多く、なかには、今回のことで自信がつき、ECサイトの立ち上げを検討される方も!

認知度向上・集客面で早くも効果が出はじめている企業様も複数あり、地方で活躍する企業様が抱える「海外も含めた集客のための情報発信強化」「DX人材の不足」などの経営課題解決に向けた最初の一歩にふさわしい講座となりました。

■受講後に起こした行動(一部)

  • InstagramやGoogle ビジネスプロフィールの開設
  • ChatGPTをダウンロードし、記事作成に活用
  • Google スプレッドシートを活用
  • 新商品を作って地域イベントに出展し、Instagramに誘導
  • Canvaで作成した画像でSNS投稿をする
  • Webページの検索順位を上げるために、写真の投稿を増やす

■受講によって得られた気づき(一部)

  • 顧客理解やデータ分析の重要性
  • お客様の購買意欲を掻き立てていく重要性
  • デジタルマーケティングの手法は採用活動にも有効である
  • 情報発信をすれば、比例して認知度が上がっていくこと

参加者様の受講後の行動や気づきに関するフィードバックを受けて、新宮信用金庫の須川様は次のように語られました。

「オフラインでの開催かつ座学とワークショップのハイブリッドの形態にしたことで、デジタルマーケティングの施策や業務について具体的なイメージを持っていただくことができました。また、参加者様同士で議論をしたり、作成した成果物を共有することで新たな気づきが得られ、よりデジタルマーケティングへの理解を深めていただくことができました。これらのことが、受講後の素早い実行につながったのではないかと考えています。BtoC、BtoBの垣根なく、デジタルマーケティングが業績向上にもたらす影響や有用性について実感を持って理解していただけたようで、大変うれしく思います。

当金庫もDXに着手する前は参加者の皆さまと同じく、未知の分野で暗中模索をする日々が続いていました。そのような状態からシナジーマーケティングさんに協力いただいたことで、ついに地域事業者様に貢献できるところまでたどり着きました。一定の成果を出すためには、まず学んだことを実際にやってみて、その結果を分析して改善するためのPDCAサイクルを素早く回すことがとても重要です。今回の講座を通して、DXに一歩を踏み出すお手伝いができたことをとても光栄に思います」

また、今回の講座によって、主に以下の効果が期待されると須川様は説明されました。

■期待される地域経済への影響

  • 業績向上
    Google ビジネスプロフィールの掲載やSNSを利用した販売促進、Webサイトの分析および改修などによる認知度向上および流入増加が見込まれる。流入増加に比例して売上が増加する地域事業者様が増え、やがて地域経済への資金の流入も増えると予想。
  • 採用課題の解決・コスト削減
    デジタルマーケティングの知識・ノウハウやツールの操作を習得することで既存従業員による自走が可能になるため、外部企業への委託費用の削減、DX人材不足の解消および人材育成コストの削減、手作業で行っていた業務の自動化による業務効率化などが実現。
  • 新たなビジネスの創出
    デジタルマーケティングの知識・ノウハウを学ぶことで共通言語が生まれ、業種・業態の垣根を超えた「成功事例の共有」「施策の相談」などの交流が活性化。新たなビジネス創出の足掛かりにもなり得る。

参加者様からも、「地域全体として積極的にデジタルスキルを取り入れることで認知度や集客率が今まで以上に向上し、地域全体の底上げにつながる。非常に重要な取り組みだと考える」「地域が活性化することで、子供たちが将来地元で活躍したいという気持ちになってほしい」との想いが寄せられました。

地方でもデジタル化の流れは加速傾向!対策の有無が企業成長を大きく左右する

都市部における生成AIを活用したデジタル化が進みつつある状況を踏まえ、新宮信用金庫の常務理事である和平様は、地域におけるデジタル化について、次のように考えを述べられました。

「都市部の変化に続くかたちで、地方においても今後デジタル化は急速に進んでいくと考えています。特に、少子高齢化や人口減少が進む地域では、デジタルマーケティングによる県外や海外も視野に入れた集客強化が不可欠です。

当金庫においても、2025年も引き続き全職員の意識改革を行いつつ、公式Webサイト全体のコンテンツ改善を実施していきます。並行して、地域事業者様のデジタル化による業績向上をご支援するために、DXを推進するための土壌づくりから認知度向上・集客支援などの実務面まで、シナジーマーケティングさんと連携しながらDXを支援するためのサービスを提供していきます。今後ますますデジタルマーケティングに取り組む企業とそうでない企業の間で差が広がっていくと予想されるので、当金庫の営業エリア全体としての意識改革およびデジタルマーケティングの知識・スキルの取得、有効活用を目指します」

参加者様からも、「リアルとデジタルの両面で、デジタルマーケティング施策を適切に実施できている企業とそうでない企業の差が大きく開いていくように思う。時流に取り残されないように対応していきたい」「今回の研修を通じて、商品をただ単に買って欲しいと訴えるのではなく、『あらゆるデジタル技術を活用した、継続的に販売し続けられる仕組みづくり』『購買意欲を掻き立てる仕組みづくり』の両軸が重要であることに気づくことができた。これが一番の収穫。今回学んだことを生かして、業績向上に向けて早急に取り組みたい」といった、時流に沿った対策を行う重要性に関する声が聞かれました。

参加者の皆さまは真剣かつ積極的な姿勢で参加され、質問や議論も飛び交うなど「この機会を最大限に活用し、獲得した知識・ノウハウを今後のビジネス展開に役立てたい」という強い想いが、ひしひしと伝わってきました。

座学とワーク終了後に、須川様から「デジタルマーケティング施策を実施するうえで、『誰に、何の情報を届けたいのか』といった目的を意識することが非常に重要です。情報の届け先、つまりステークホルダーにとって適切な情報発信ができるようになることで、企業や商品・サービスの認知度や集客力はおのずと高まっていきます。情報に触れる機会が増えて関心が高まることで、商品・サービスの購買率・利用率も上昇していきます。長期的に成果を出すためには、日々の積み重ねが重要です。私は当金庫のSNS運用を担当しているのですが、今回の皆さまの熱量に触れて、改めて身が引き締まる思いです。今回の講座が、皆さまのビジネス成長の一助になれば幸いです」とのご挨拶があり、3か月間にわたって実施された地域集客4大施策習得講座は幕を閉じました。

今回ご紹介したように、新宮信用金庫様は地域密着型金融機関として「創業支援」「経営支援」「事業承継支援」を3本柱とし、融資面だけでなくビジネス面からも地域事業者様への支援に力を注いでおられます。本講座をはじめとする「実践的なデジタルマーケティング知識・ノウハウの提供」を通じて、地域におけるDX人材の育成や実務へのDXの浸透を進めることで、地域全体としての競争力向上を目指されています。あわせて、地域事業者様同士の横のつながりを強化することによる「新たなビジネス創出の基盤づくり」にも、積極的に取り組まれています。さらなる理想実現に向けて、今後は「IT補助金をはじめとするDX推進に有用な補助金制度の周知・解説・利用申請の支援」などといった支援領域の拡充も検討されています。地域密着型金融機関として、経済・社会・コミュニティのあらゆる面で深く関わり、地域の持続的な発展と成長に貢献するために、新宮信用金庫様はこれからも挑戦を続けていかれます。

また、当社も引き続き、お客様の理想実現に向けてさまざまなご支援を続けてまいります。イベントやセミナー、展示会への出展なども予定しておりますので、ご期待いただけましたら幸いです。

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(制作/編集:経営推進部 ブランドマネジメントチーム)

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