シナジーマーケティングでは2020年、新型コロナウイルスの流行をきっかけに半ば強制的にテレワークを開始しましたが、約1年の試行錯誤の末、2021年から正式に制度化し、今ではすっかりテレワークが定着しています。
*働き方に関する諸制度に関しては、こちらの記事もご覧ください!
テレワークが定着すれば、これまで当たり前のように全員が毎日出社していたオフィスも、新しい働き方に合わせてアップデートする必要があります。「シナマケ オフィス改造計画」シリーズでは数回にわたり、紆余曲折を経ながら大阪本社オフィスが新しく生まれ変わる様子をお伝えします!
(編集:コーポレート部 房本/経営推進部 森内)
オフィスデザインの専門家に相談する
「新しい働き方プロジェクト」では、コロナ禍が収束したとしても毎日オフィスに出社しない働き方を続けることを決め、新しいオフィスの役割を、「エンゲージメント」と「イノベーション」を生み出すための「コミュニティ形成の場所」と位置づけました。
2021年1月より新テレワーク制度やそれに合わせた勤務時間体制がスタート、それらが定着した春頃には、テレワーク由来の新たな課題や心配ごとも顕在化してきていました。
・他部署のメンバーとの斜めのコミュニケーション不足・・・
・新人のオンボーディングの不安・・・
・オンラインミーティングではブレストがはかどらない・・
そして、決して安くはない家賃を払っているにも関わらず、明らかに有効活用されていないだだっぴろいオフィスを見るにつけて、副社長やコーポレート部長の胸が痛む日々。。
これ以上は自社で議論を重ねるよりプロに相談してどう実現するかを考えることにしようーー
いよいよ、私たち働き方プロジェクトでは、大阪オフィスのリニューアルを支援していただけるオフィスデザインパートナー探しをはじめることにしました。
新しいオフィスの方針と要件
いくつかのオフィスデザイン会社に相談するにあたって、私たちは方針と要件を以下のように整理しました。
方針
・固定席を廃止してフリーアドレスへ(特定業務を除く)
・利用人数や利用目的の変動に対してフレキシブルな使い方ができる
・テレワークではできない密度が高いコラボレーションができる
・出社した社員同士のカジュアルなコミュニケーションが起こる
・社員外(グループ会社、パートナー、同業者勉強会)にも開かれたスペース
要件
・21年末〜22年初をターゲットに、現在の大阪オフィスの床面積(1200平米)を50~75%に縮小して改装する
・大阪オフィス在籍社員は150名。オフィス出社率は10~25%を想定
オフィスを「エンゲージメント」「イノベーション」から成る「コミュニティ形成」の場として定義
・リニューアル後、2~3年以内にコスト回収することを基準にリニューアル予算を設定する
・当社の業務上必要なスペースは残す
このリニューアルは前例が少ない!
かくして私たちは、3社のオフィスデザイン会社に大阪オフィスリニューアルの相談を行い、各社の豊富な経験と強みを生かしたご提案をいただくことができました。(本当にありがとうございました!)
その一方で、3社の提案を並べて見て、役員も含めた私たちの中で共通した感想がありました。それは、
「社員が出社することが前提となっている」
「社員の出社頻度を上げる(上がる)ことを目指している」
こと。
私たちは「みんなが出社したくなるオフィス」を目指していましたが、それは通常業務を行うための毎日の出社ではなく、テレワークではできない「新たな活動」を行う時の出社であり、日々の出社率を向上させたいわけではありませんでした。
(減床が要件に入っていたのもそのためです。)
そのような「体験」のアイデアやヒントが提案から見えることを私たちは期待していたのですが、ブリーフィングやその後のコミュニケーションを通してうまく伝えることができず、提案から未来のイメージをふくらませることはあまりできませんでした。
なぜなら、世の中にはコロナ禍が収束したあと「ふたたび集って通常業務を行う」ためのオフィス改修を行う企業が多く、「出社しないオフィスの新しい価値」はまだまだ模索中の段階だったからです。私たちは改めて、前例の少ないオフィスの使い方を考えていくことの難しさを認識したのでした。
ところで、テレワークが比較的順調に浸透したシナジーマーケティングですが、コロナ禍の収束有無に関わらず、今後の選択肢として「オフィスを完全に失くすこと」は考えていません。それは、お客様のマーケティング活動を支援するための一部の業務には一定水準以上のセキュリティが担保された部屋が必要だったからです。それにどれだけテレワークが浸透して全体の出社率が低い状況でも、さまざまな生活事情を持つ社員の「働く場所のひとつ」を会社が用意する義務もあると考えているからです。
また、賃貸の固定費を圧縮するためにオフィスの広さを最小限にする(出社率に合わせたスケールダウン、当社の場合15~25%)という選択肢もありませんでした。
それは、新しいオフィスで行う新しい活動や体験を当社の「伸びしろ」および「成長のチャンス」だと考えたからです。テレワークによる日常業務のパフォーマンスに加えて、「エンゲージメント」「イノベーション」を新しいオフィスで生み出すことで、コロナ禍を経てさらなる事業価値を育んでいければと考えています。
答えはわからなくても、考えを共有して一緒に育てる
私たちは、当社の新ビジョン・ミッションを踏まえてオフィスを「ファン(社員・パートナー・お客さま)とのシナジーを生み出す新たなカルチャープレイス」と捉えた提案をしていただき、理想のオフィスづくりに継続的に取り組んでいただけると感じた1社に大阪オフィスのリニューアルをお願いすることにしました。
*新ビジョン・ミッションに関しては、こちらの記事もご覧ください。
リニューアルをして終わりではなく、オフィスとその活用方法を一緒に育てながら、共にポストコロナ時代の新しい働き方の事例をご一緒に模索していければという期待を込めて。
社会の変化、マーケットの変化、働き方の変化、そしてなによりも社員の意識の変化、この1年半でも信じられないくらい変わったのだからこれからも変わっていくはずです。
オフィスづくりにおいても、旧来の使い方や仕事の方法を維持するのではなくいち早く新しいやり方で成果を出すことでお客様の見本となってほしい、働く場所の選択肢を増やすことで社員のみんなが生き生きと働きやりがいを持ち続けれる環境づくりを目指していきたい。
・・・と、そのような大きな期待を胸に、現実的なコストやスペースの制約を見ながら着工に向けてパートナーさんと詰めていくフェーズが始まったのが7月末のこと。
次回は、大阪オフィスの所在地について、あらゆる可能性を模索する中で突如浮上してきたアナザープランについてお話します。