シナジーマーケティングでは2020年、コロナ禍をきっかけに半ば強制的にテレワークを開始しましたが、約1年の試行錯誤の末、2021年には正式に制度化し、今ではすっかりテレワークが定着しています。
*働き方に関する諸制度に関しては、こちらの記事もご覧ください。
これまで当たり前のように全員が毎日出社していたオフィスも、新しい働き方に合わせてアップデートする必要があります。この記事から数回にわたり、紆余曲折を経て(まだ色々ありそう……)大阪本社オフィスが新しく生まれ変わる様子をお伝えします!
(文・編集:コーポレート部 房本/経営推進部 森内)
毎日出社するオフィスとの決別
新型コロナウイルスの流行がはじまった2020年2月頃、当社では段階的にテレワークを開始しました。はじめのうちは多少の混乱があったものの、多くの社員が柔軟に対応してくれたおかげで徐々にテレワークが定着していきました。実際に、同年6月に実施した社員アンケートでは、9割以上が「大きな支障なく業務できている」と回答し、出社率も15%以下の日がほとんどでした。
こうした状況が続く中で、コロナ禍の収束後は元の働き方に戻すのか、このままテレワークを継続するのか、今後の私たちの働き方を検討すべく「新しい働き方プロジェクト」が発足しました。このプロジェクトは経営・人事・総務・セキュリティ部門のメンバーによる横断チームで、社員の声も聞きながら議論を重ねた結果、コロナ禍の状況が元に戻ったとしても、「毎日同じオフィスに集まって仕事することを前提としない働き方」にシフトすることを決めました。
働き方を考える上で当然オフィスについての話もあがりました。
ただし、「出社が減ってもったいないからオフィスを小さくしよう」と簡単に決めてしまうのではなく、新しい働き方にシフトすることを踏まえ、「これからの会社・社員にとって必要なオフィスってどんなオフィスなんだろう?」ということを一から考えてみることにしました。
私たちに必要な「オフィス」を再定義
1)オフィスで何をする?まずは機能をピックアップ
新しい働き方に合ったオフィスを考えるにあたり、まずはオフィスに期待される機能について、ボトムアップで考えてみることにしました。
オフィスに期待すること・オフィスで実施することをプロジェクトメンバーが各自付せんに書き出していき、それを「オフィスが必須」、「オフィスがないと不便」、「現状はオフィスの方が良い」、「人によってはオフィスが有効」、「テレワークで対応可能になった」の5つに振り分けました。
ちなみに、「新しい働き方プロジェクト」チームは拠点(東京・大阪)がバラバラで、かつコロナ禍で出社も出張も制限していたので、一度もオフラインで集まることなく活動しています。工夫さえすれば意外とオンラインでできることが多いと実感しています。
2)何のためにオフィスを使う?目的単位でまとめてみる
次に、洗い出した機能について、
「わたしたち社員は、何のためにオフィスに行くのか?」
「会社・経営は、何のために社員にオフィスに来てほしいのか、そこでどんな活動をしてほしいのか?」
など、目的単位でまとめ直してみました。
まず、この検討を行った2020年末の時点で、当社の多くの業務がテレワークで遂行可能なことがわかっていたため、
・通常業務を行う場所
・ミーティング(定例や情報共有のための会など)を行う場所
・ほとんどの商談を行う場所
など、付せんのカテゴライズで「テレワークで対応可能になった」機能は、新しいオフィスの主目的から外しました。
(もちろん、出社したときにこれらの目的が果たせるような最低限の機能は必要だという前提です。)
次に、当社の事業継続上明らかに必要な機能
・法人登録の拠点
・対面コミュニケーションが必要な来客を迎える場所
・発送などの物理業務を行う場所
・機密情報を扱う業務を行う場所
などは新しいオフィスのコンセプトに関わらず必須な「自明の基本機能」として切り出しました。
そして、残った機能たちを2つのグループに分けて、そこに「イノベーション」と「エンゲージメント」というラベルを付けました。
このように整理することでオフィスは「イノベーション」活動と「エンゲージメント」活動から成る、「コミュニティ形成の場所」であることが見えてきました。
なぜなら、「イノベーション」「エンゲージメント」は、テレワークで普段離れて働いている社員たちが、シナジーマーケティングとしてのアイデンティティを維持・強化するための大きな課題と伸びしろです。
新しいオフィスの機能によってこの2つを成長・強化することができれば、私たちは当社ならではの事業活動を推進してお客様と社会に貢献することができる、と考えたからです。
オフィスはコミュニティ形成の場所へ
こうして、これからのシナジーマーケティングの新しい大阪オフィスは(シナジーマーケティングという企業体の)「コミュニティ形成の場所」と再定義し、「イノベーション」と「エンゲージメント」機能を軸に検討していくことになりました。
ただし、世の中や会社の状況は日々進化します。「イノベーション」も「エンゲージメント」もオフィスだけで達成できるものではないので、働き方全体を通して実現していけるようにしようと考えています。
また、これからのオフィスを検討する上でこうした新しいコンセプトはとても大切ですが、業務都合上・生活スタイル上の理由で必要があって出社した社員が、普段のデスクワークを不自由なくできるようにすることも重要です。
自分たちで決めた言葉や定義に固執しすぎることなく、今後も柔軟に検討を重ねたいと思います。
次回は、この考え方を体現するオフィスをデザインしていただくパートナー探しについてお話します!