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和歌山市との関係人口創出実証事業で見えてきた「転出者をつなぎとめる」戦略の有効性
若者の地域離れの課題は地域との関係が途絶えてしまうこと。「つなぎとめる」戦略に基づくCRM施策の結果、和歌山市と企画・運営事業に関する連携協定を新たに締結
シナジーマーケティング株式会社(所在地:大阪市北区、代表:田代 正雄、以下:当社)は、「和歌山市関係人口創出モデル実証事業(2022年10月17日に和歌山市と連携協定締結)」として、2023年2月15日にデジタルプラットフォーム「FAVTOWN wakayama(ファボタウン ワカヤマ)」を公開し、進学や就職によって和歌山市を離れる若年層とのつながりを持つ施策として一定の効果を得ることができました。
この実証事業の結果を踏まえ、当社は和歌山市と「FAVTOWN wakayama」の企画・運営事業に関する新たな連携協定を締結し、和歌山市とともに市外在住者とのつながりの拡大、転出した若者のUターン就職・移住の増加を目指して、事業を継続してまいります。
<企画概要>
https://favtown.jp/wakayama/
「FAVTOWN」は、当社のCRMやデジタルマーケティングの専門知識を活かしたデジタルプラットフォームです。「FAVTOWN」とは、‘Favorite Town(お気に入りのまち)’を略して名付けました。「FAVTOWN」の企画に際しては、全国的に進む少子高齢化の加速に加え、都市圏への人口流出を課題とする地方都市などに向け、「地元が好き」という想いを持つ転出者などとつながり、地域の情報提供や住民との交流を促し、ふるさとへの愛着を深め、育むことを目的としました。まずは実証事業として、上記課題を持っていた和歌山市と連携協定を結び実施をいたしました。
「FAVTOWN wakayama」では、和歌山市の住民に加え、進学・就職などで和歌山市を離れる方、他都道府県在住で和歌山市出身の方が、無料で登録ができます。
実証事業では、進学・就職などで和歌山市を離れる方を対象に、和歌山市の特産品などを詰め合わせた「ふるさと便」をはじめとした会員限定の特典を打ち出し、市内開催のイベントや、出身校の活動報告などを行い、和歌山市への愛着醸成を促す情報発信を実施しました。
<実施内容>
- 和歌山市内の高校生・大学生への事前定性調査
- 和歌山市内に当社サテライトオフィスを開設(2023年1月〜)
- 和歌山市内の企業・団体に対する応援パートナー誘致活動
- FAVTOWNの公式LINE、インスタグラムでの応援パートナーの紹介や母校の情報発信、市内高校へのチラシ配布などによる会員募集告知の実施運営
- FAVTOWN会員へ地域の特産品などを詰め合わせた「ふるさと便」企画の開発・実施運営
- 港まつりペアチケットプレゼント企画の実施運営
<結果サマリー> 2023年6月30日時点
- FAVTOWN新規会員は1,520人(目標:1,500人/内訳:20代までの若年層が約6割、県外在住者が7割強)
- ふるさと便送付者アンケート回答率が52%で満足度は98.8%、約8割が友人に勧めた・勧めたい、応援企業への感謝の気持ちが高まったと回答
- 和歌山市内の応援パートナー参加企業・団体数は56社(目標:30社)
- 企業協賛席へ地元の高校生/帰省した大学生をご招待する「港まつり」では当選10組に対して76組の応募
<FAVTOWN会員の声>
「和歌山を離れて一人暮らしを始め、その大変さでホームシックになり気分が落ち込んでいた時にふるさと便が届きました。各企業さんの応援メッセージを読んで、前向きな気持ちに切り替える事が出来ました」(18歳 新大学生)
「(応援パートナーの企業に対して)すごく印象がよくなった。ふだんものをつくっている会社を意識することはないので、こういう取り組みに協力されているので地元貢献している企業なのかなという名前を知るようになったし、店で見かけたときもふるさと便でみたものというふうに思うようになった」(24歳 新社会人)
「この度は素晴らしい事業を立ち上げて頂き有難うございました。自分のアイデンティティである地元を感じすごく恋しく、また嬉しい気持ちになりました。早く和歌山へ帰りたいです 」(20歳 大学生)
「大学入学で初めて親元を離れた娘が、親と地元が、応援してくれているんだと感じ、寂しさや日々の緊張から少し解き放たれる時間を感じることができたように思います」(18歳新大学生の保護者)
<和歌山市移住定住戦略課 松井課長のコメント>
民間企業のCRMマーケティングに長年携わっているシナジーマーケティング株式会社ならではの発想で、新しい関係人口の在り方をご提案いただけたのではないかと思っています。
すでに和歌山市と関係のある県外転出者とのつながりをデジタルの力で維持、深化することで、ふるさとへの愛着醸成をしていただくというのは、移住定住促進につながる可能性があると手ごたえを感じました。
会員の方が「県外に行くけれど『和歌山市が好きだよ』」とおっしゃってくださることも嬉しく思います。また、ご協力いただいている、市内事業さま・学生団体のみなさま、また市民のみなさまがいることを実感できる移住施策のひとつです。市内外の和歌山市が好きな方の交流のきっかけづくりが、和歌山市の活性化につながると思いますので、息の長い施策になればと思います。
転出者とつながりを継続することで生まれる地域活性のちから
当社が、和歌山市と連携して実施した実証事業の結果、県外転出後も地元地域と関わりを持ち続けたいと考えている若者が一定数以上いること、若者の大都市圏への流出課題は、転出率の高さそのものではなく、転出とともに地域との関係が途切れていることにあること、そしてその関係をつなぎとめることで、将来の地域を支える強固な関係人口の構築につながる可能性が示唆されました。また、アンケート結果などから「FAVTOWN」をプラットフォームとし、会員、地域企業・団体、行政が連携し、”ふるさと”という共通項のあるもの同士がコミュニティとして交流することは、地域の機能的価値だけではなく情緒的価値の向上に寄与し、地域のブランド力を高める結果につながることも期待されます。
今後の展望
地域からの転出者との関係を「つなぎとめる」施策展開を行うデジタルプラットフォーム「FAVTOWN」は、地域一体となって地域への愛着を深め、ともに育んでいくコミュニティ形成を目指します。自治体はもちろん、地域の企業、学校などとの連携をより一層強化することで、「ふるさとで働く」「ふるさとや母校へ寄付する」「ふるさとを応援する」気運を醸成し、地方創生の一助となる持続可能な事業モデルの構築に尽力していきます。そして、「FAVTOWN」を同様の課題を抱える全国の自治体への展開にも積極的に取り組んで行く予定です。
参考情報
<関連プレスリリース>
2022年10月17日
和歌山市とシナジーマーケティング株式会社が「関係人口創出モデル実証事業」に関する連携協定を締結
https://corp.synergy-marketing.co.jp/press/2022/1017153000_8423.html
2023年2月15日
和歌山市と連携協定した関係人口創出モデル実証事業「FAVTOWN wakayama」が本日オープン
https://corp.synergy-marketing.co.jp/press/2023/0215150000_8985.html
<地域創生事業「re:connect」について>
「FAVTOWN」は当社の地域創生事業「re:connect(リコネクト)」の一環として展開しています。内閣官房の「デジタル田園都市国家構想」では、関係・交流人口の創出や経済基盤の強化など、さまざまな政策が提案されていますが、具体的な施策は主に地方自治体が担当し、人材不足や知識不足、予算不足などの問題が見受けられます。当社は、地域のステークホルダーと協力しながら課題解決に貢献したいと考え、2022年から当社のCRMやデジタルマーケティングサービスを組み合わせた地域創生事業「re:connect」を開始しました。地域の課題に柔軟に対応できる事業体制を構築し、実証プロジェクトへの参加や連携パートナーとの事業拡大など、幅広い展開を予定しています。また2023年9月には、内閣府が設置した「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」や、関係人口創出・拡大に向け熱意とアイディアを持つ、全国の中間支援組織、民間事業者、地方公共団体などによる「かかわりラボ(関係人口創出・拡大官民連携全国協議会)」にも参画し、官公庁や地方自治体および関係企業との連携をより一層強化していきます。
re:connectの事業紹介ページ
https://corp.synergy-marketing.co.jp/business/local
地方創生SDGs官民連携プラットフォーム
https://future-city.go.jp/platform/
かかわりラボ(関係人口創出・拡大官民連携全国協議会)
https://www.chisou.go.jp/sousei/about/kankei/kakawari-lab.html