つながりを“資産”へ―企業のCRMから、地域のCRMへ【大東文化大学 ゲスト講義レポート】

2026年7月9日、大東文化大学 東松山キャンパスにて、当社メディア事業部 部長の平手和徳が、「都市社会学」「ソーシャルキャピタル論」の合同ゲスト講義に登壇しました。テーマは「つながりを“資産”へ―企業のCRMから、地域のCRMへ」。2年生から4年生まであわせて約150名の学生を前に、企業のマーケティングで培われる“つながりを資産に変える”知見が、地域や、地元を離れた若者との関係づくりにどう活かせるのかを語りました。当日の様子を、学生から寄せられたアンケートの声とあわせてご紹介します。

概要

  • 日程:2026年7月9日(木)
  • 会場:大東文化大学 東松山キャンパス
  • 授業:都市社会学/ソーシャルキャピタル論
  • ゲスト講師:平手 和徳(シナジーマーケティング株式会社 メディア事業部 部長)
  • 受講者:2年生から4年生 あわせて約150名

教室を満たした、約150名の学生たち

教室に集まった学生たち。ノートPCやタブレットを開き、講義に耳を傾ける

会場となったのは、ぎっしりと席が埋まった大教室。ノートパソコンやタブレットを開いてメモを取る学生の姿が並び、開始直後から集中した空気が伝わってきました。平手が問いかけを投げかけるたびに、うなずきや小さな反応が起こり、60分の講演のあいだ、学生たちの視線はスクリーンと手元のパソコンを行き来していました。

講義の冒頭で使われたのが、学生が自分のスマホやパソコンから匿名で投稿できるオンラインのふせんツール。「あなたの地元はどこですか?」という問いかけに対し、スクリーン上には所沢、上尾、板橋、長野県など、学生たちの出身地を示すふせんが次々と並んでいきました。関東近郊から遠方まで、多様な出身地を持つ学生が一堂に会していることが、この一枚からもうかがえます。

「あなたの地元はどこですか?」。オンラインツールでリアルタイムに集まる学生たちの出身地

企業の“CRM”、地域の“CRM”

講義の舞台となったのは、「都市社会学」「ソーシャルキャピタル論」という2つの授業。学生たちがふだんの授業で学んでいる“人と人のつながりが持つ価値”という視点から、企業のCRM(顧客関係管理)の話へと展開していきました。

当社の“ふるさとファンメディア”「FAVTOWN」の取り組みを紹介する平手

企業のCRMの文脈では、「新規顧客の獲得には既存顧客を維持する5倍のコストがかかる(1:5の法則)」などの事例を交えながら、CRMの概要を紹介。 顧客との信頼関係を積み上げることで、企業と顧客のあいだに“つながり”という資産が育っていく仕組みを説明しました。

一方、地域の文脈では、当社が展開するふるさとファンメディア「FAVTOWN」の取り組みを紹介しました。進学や就職で地元を離れた若者に対し、“ふるさと便”などを通じて地元とのつながりを保ち続けてもらうことで、将来のふるさと納税やUターン就職、地域イベントへの参加といった行動につなげていく取り組みです。コロナ禍の帰省自粛のさなか、平手の同僚宅に地元から椎茸の菌床が突然届き、それをきっかけに2年後に地元へ戻ることになったというFAVTOWN誕生のエピソードも語られ、“つながり”が“資産”に変わっていく過程を、実体験を交えて伝えました。

アンケートに見る、学生たちの学び

講義後には、「都市社会学」「ソーシャルキャピタル論」それぞれの授業でアンケートを実施し、あわせて150名を超える学生から回答が寄せられました。以下、学生から寄せられた声の一部をご紹介します。

※学生の回答は、一部を抜粋して掲載しています(文意を変えない範囲で省略しています)。

ソーシャルキャピタルは「人とのつながり」が資産になるという考え方です。お金や知識だけでなく、信頼関係や地域とのつながりも大切な資本であり、それが新しい機会や地域の活性化につながることを学びました

私はこれまで、人口減少の原因は若者が地元を出ることだと思っていました。しかし、講義を聞いて、地元を離れても情報を受け取ったり、イベントに参加したり、地元の商品を買ったりすることで地域に貢献できると知りました。地元に住み続けることだけが地域との関わり方ではないことを学べました。

お金や土地のような物的資本、教育やスキルのような人的資本と並ぶ第三の資本として人と人とのつながりが挙げられたことが非常に新鮮で、最も印象に残りました。友達が多いことや地域の人と仲が良いことは、単に「楽しい」「居心地がいい」という個人の感情の話だと思っていましたが、それが社会や地域を支える立派な資産になるという視点を知り、世界の見方がガラリと変わるような学びになりました。

アンケートの自由記述では、メルカリやInstagram、スターバックスの会員制度、Uber Eatsの評価機能など、学生自身が日常的に利用するサービスを引き合いに出しながら、ソーシャルキャピタルという概念を“自分ごと”として捉え直す声が数多く寄せられました。

地域政策・移動研究専門家・伊藤氏からのコメント

人文社会科学の授業内容は、どうしてもリアルな現場とのつながりが感じにくいものです。しかし、平手様にご登壇いただいたことで、普段の理論的な学びと現実社会の実践が深く結びついていることを、学生たちが実感できた様子がうかがえました。ご登壇いただき、ありがとうございました。

伊藤 将人 氏
(大東文化大学 非常勤講師・社会学研究所 兼任研究員/国際大学 GLOCOM 研究員・講師/FAVTOWNアドバイザー)

講師・平手からのメッセージ

このたびは、ゲスト講義に真剣に耳を傾けていただき、誠にありがとうございました。「つながりは資産になる」というソーシャルキャピタルの考え方を、企業のCRMや弊社の「FAVTOWN」の事例を交えてお話ししましたが、皆様からいただいた率直な感想や気づきは、私にとっても大きな学びとなりました。 今日出会った「つながり」も、私自身のこれからの資本です。皆さんも、日々の信頼や助け合いを大切に、自分だけの「資産」を育てていってください。

平手 和徳
(シナジーマーケティング株式会社 メディア事業部 部長/FAVTOWN事業責任者)

おわりに

今回のゲスト講義を通じて、企業のCRMという実務知見が、大学の学びの場でも新たな気づきをもたらすことをあらためて実感しました。当社は今後も、FAVTOWNをはじめとする取り組みを通じて、地域と、そこに関わる一人ひとりの“つながり”を“資産”に変えていく挑戦を続けてまいります。

(編集:経営推進室 ブランドマネジメントチーム)

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